患者さん・ご家族・医療関係者のみなさまへ
緩和ケアとはなにか「緩和ケア」と「がん疼痛治療」の課題

WHOや欧米を中心とする世界の各国は、「緩和ケア」の導入を積極的に導入しようと努力してきました。それは、「緩和ケア」が、人間らしい質の高い生活を送るためには不可欠のものであるという認識からです。
「緩和ケア」はがんによって引き起こされる様々な苦痛から、患者さんを解放しようとするもので、そのためにはまず身体的な痛みの緩和が欠かせません。

しかし、日本においては「緩和ケア」は、がんの末期に行われるものという認識や、「がん疼痛治療」に用いられる医療用麻薬への誤った考え方がまだ残っているようです。また、「痛みはがまんするもの」という国民性もあってか、日本は先進国の中で最も医療用麻薬の消費量が少ない国の一つとなっています(図1)。
がん患者さんの「体と心の痛み」の緩和には医療用麻薬の正しい普及が不可欠です。医療用麻薬はオキシコドンが使用できるようになった2001年から徐々に普及してきていますが、医療用麻薬に対する偏見と誤解は強く、使用状況に劇的な変化はみられていません(表1、表2)。


図1)医療用麻薬消費量の国際比較

  図2)岡山県の医療用麻薬の販売量推移:
    2007年まで(モルヒネ換算)
医療用麻酔消費量の国際比較   岡山県の麻薬販売量の推移(モルヒネ換算)
     

表1)日本における医療用麻薬の種類別消費量の推移(1990〜2002年)

  1900 1995 1999 2000 2001 2002
モルヒネ(kg)
Morphine
175 528 733 775 841 775
フェンタニル(g)
Fentanyl
156 1,069 1,021 694 1,468 3,926
オキシコドン(g)
Oxycodone
        157 251
モルヒネ換算(kg)
Morphine equivalent
201 706 903 891 1,086 1,430

表2)日本における医療用麻薬の種類別消費量の推移(2003〜2007年)

  2003 2004 2005 2006 2007
モルヒネ(kg)
Morphine
699 562 511 436 382
フェンタニル(g)
Fentanyl
11,822 12,132 14,677 18,607 18,155
オキシコドン(g)
Oxycodone
15,959 84,114 185,490 234,831 284,669
モルヒネ換算(kg)
Morphine equivalent
2,694 2,711 3,236 3,890 3,835

*日本のモルヒネ換算消費量係数(フェンタニル:166.7, オキシコドン:1.5)を用いて換算したもの
(注)2006年のフェンタニルの増加は大規模研究利用があったことが一因。

(出典:「がんの統計2008」、がん研究振興財団)

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